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黒富士農場で、自然と共に生きる農法とアニマルウェルフェアを学ぶ

2022
01.24

黒富士農場で、自然と共に生きる農法とアニマルウェルフェアを学ぶ

観光・食・文化

県土の約80%が森林の山梨県は、広大な自然があり、農業に適した自然の恵みが凝縮された地域です。JA山梨中央会によると、山梨県は昼夜の気温差が大きく、年間の日照時間が日本一長く、年間降水量が少ない内陸性気候のため、果樹や野菜の栽培に適しています。山梨県はグルメ食材の産地として最上質の環境といえます。

最高の環境で作られる極上の鶏卵

今回は「黒富士農場」(山梨県甲斐市上芦沢1316)を訪問しました。事前にGoogle Maps の衛星写真で周囲を確認すると、周囲は一面森と山。 山奥の自然あふれる大地にポツンと存在する黒富士農場。最上級の食材を育む取り組みについて伺います。

こんな山奥に農場? 大自然に包まれた道をどんどん進みます

森を抜けるとそこは、黒富士農場

バスで入れないのではと思うほど、細い道をひた走り山奥へ向かいます。森の中を走ること10分あまり、森を抜けると一気に風景が広がり、広々とした黒富士農場が姿を現します。

森を抜けると「人と自然にやさしいオーガニックファーム黒富士農場」の看板

黒富士農場は到着した瞬間から身も心も癒される空間で、キャンプ用品を持ってきたらよかった、と後悔するくらい、美しい景色と空気に包まれています。

農場では徹底的な衛生管理が行われています。鶏たちはもちろんのこと、餌や土、水、そして働く人たちが外から持ち込まれるウイルスに汚染しないよう、徹底したウイルス感染防止対策が行われています。農場に入るすべての人が、しっかりと靴カバーを装着し、さらにビニールで靴を覆い、全身防護服とマスクで完全防備。そうすることによって初めて農場見学と説明を受けられる、徹底した衛生管理です。

徹底して衛生的な環境を保つことが大切。みんな防護服を着用しての取材です

先進的な、環境保全型自然循環農法を実現

黒富士農場は「自然と共生する持続可能な畜産」を理念として掲げ、環境保全型自然循環農法(BMW技術)をはじめ、複数の画期的で先進的な技術を取り入れています。鶏を育て、鶏卵を主に生産している農場ですが、それだけではなく、鶏卵を使用したスイーツや、鶏肉、そのほかの加工品も作っています。

リアルオーガニック卵は、徹底した衛生管理と鶏たちの健康管理によって誕生した唯一無二の鶏卵

黒富士農場では鶏たちのことを第一に考え、ストレスを減らすことを追求、重視しています。天然の湧き水を与えたり、発酵飼料を与えたりはもちろんのこと、ほかにも様々な取り組みをしています。

① 平飼い

鶏舎の鶏、というと狭いケージで窮屈に飼われているのをイメージされる方が多いかもしれません。しかし黒富士農場では、鶏のストレスを軽減させることを重要視してケージを使用せず、平飼いにしている鶏舎がほとんど。鶏の飼養羽数は7万羽(+八ヶ岳にて5千羽)で、18鶏舎あるなかの15鶏舎が平飼いになっています。広い場所で生活する鶏たちは、ストレスがなく、すくすくと育ちます。

② 放牧場

鶏舎で一羽一羽が十分なスペースを保たれストレスなく生活できるように平飼いされている鶏たち。鶏舎の扉を開けると目の前に放牧場(遊び場)があり、自由に動き回ることができます。

放牧場では、鶏たちは自由に動き回れます。屋外の放牧場から、鶏舎に帰っても平飼い。鶏たちにとってここまで自由な農場は他に類をみません。

鶏たちは鶏舎の目の前の放牧場で自由に歩き回ることができます
③ 環境保全型自然循環農法

黒富士農場では環境保全型自然循環農法(別名、BMW技術)が採用されています。

Bは「バクテリア」、Mは「ミネラル」、Wは「ウォーター」を意味し、岩石、腐葉土、水からなる自然浄化の作用を基礎とする農法です。そのBMW技術をもとにBM活性堆肥を作り、鶏舎の床下に敷き、土の代わりにしています。

BM活性堆肥の効果により臭いを抑え、飼育場を衛生的に保ち、ハエなどの害虫発生も防いでいるそうです。確かに農場内では、臭さを全く感じませんでした。鶏だけでなく働いている人のストレス軽減にも繋がっていると感じました。

農場内にあるBMW技術を実践している培養所を見学させてもらいました。培養所で、放線菌を培養し、BM活性堆肥を生産します。作られたBM活性堆肥はすべて地域循環を徹底しており、外部環境を汚染しないようにしています。

このBM活性堆肥は一度、床下に敷いたら1年半は交換不要です。鶏が入って出ていく期間が約1年半ですから、鶏が出ていくまで取り換え不要ということになります。

BM活性堆肥となる素材の中には、落ち葉が土になっていく際に発生する放線菌がたくさんいます
BMW技術によって作られたBM活性堆肥のおかげなのか、鶏舎の近くでもいっさい嫌な臭いがしませんでした
④ NonGMO飼料 / 有機飼料

鶏たちが食べているエサは有機飼料。そしてNonGMO飼料(遺伝子組み換え作物ではない飼料)です。遺伝子を組み替えた素材は使わず、生産履歴がわかるもの、非遺伝子組換えであるものだけを使用しています。さらに、クロレラを培養するなど、農場で鶏たちの体に良い素材を製造しています。

エサは大豆とトウモロコシが主原料で、おから、米ぬか、ふすまなどを農場内で1週間かけて発酵させます。カキガラや小豆の皮なども素材として使われていて、従来の廃棄物を活用するエコフィードが行われています。手間をかけて、自然で鶏たちの健康に良い飼料を生産しているのです。

微細藻類バイオマス生産プラントでは、山梨大学と共同研究で進められているクロレラが作られています
プラントの中では、気泡が出ている槽によってクロレラが作られています
厳しく定められた製法で作られた外注生産による素材と、黒富士農場内で作られた素材を混ぜ、有機飼料が作られていきます

動物たちが身も心も健康的な生活を送るアニマルウェルフェア

黒富士農場はアニマルウェルフェアを心掛けています。アニマルウェルフェアとは、動物たちが身も心も健康的な生活ができる飼育方針という意味です。以下の5つの自由が指針となっています。

1. 不快からの自由

2. 正常な行動発現の自由

3. 飢えと渇きからの自由

4. 痛み・苦痛からの自由

5. 恐怖や苦悩からの自由

山梨県は2021年9月に、全国の自治体で初めてアニマルウェルフェア認証基準を定め、「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」を策定しました。牛、豚、鶏など家畜ごとに認証基準が設定されています。実績(成果)認証をクリアした畜産物には、認証を示すロゴマークの使用が認められています。

たとえば、採卵鶏の場合、「飼育面積: 1羽あたり0.15㎡以上」「運動: 放牧場等にて毎日運動できるか」「産卵場所: 快適性が確保された産卵場所が確保されているか」など、そのほか多くの基準を満たさないと、認証されません。黒富士農場はそれらを全て満たしている農場です。

私たちはあらゆる生命を自然から分けてもらい、食べて生きています。生命に対して敬意をもって接する理念のもとで育まれた食品を口にすることは、消費者にとって、社会にとって、そして地球にとっても優しいことですね。

アニマルウェルフェアに関する情報は、「おいしい未来へ やまなし」特設サイトでも紹介していますので、ぜひご覧になってください。

おいしい未来へ やまなし 「サスティナブルな未来」