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山梨県、安心できる未来医療を創造するSmart119実証実験を実施

2022
03.07

山梨県、安心できる未来医療を創造するSmart119実証実験を実施

ビジネス

山梨県は、最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業等に伴走し、山梨県全域を対象にした実証実験を全面的にサポートする「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」を行っています。

具体的には、最先端の技術を持つスタートアップ企業等に対して、補助率4分の3、最大750万円の経費を支援するとともに、山梨県全域(広大な土地、人、etc…)を製品・サービスの実証実験の場として提供する! という産・学・官・金連携の「オール山梨」で日本の次代を担う企業をサポートするというもの。

近い将来、リニアが開業し、東京から25分、名古屋から45分でアクセス可能になることを見越し、山梨県は県外のスタートアップからテストベッドとして選ばれるよう招致活動を行っています。

第1期「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に採択された事業は8つです。

  • ドローンを活用して過疎地の課題解決を目指す新スマート物流「SkyHub」(株式会社エアロネクスト)
  • ピアサポートテクノロジーを活用した糖尿病改善(エーテンラボ株式会社)
  • 「おてつたび」を活用した山梨県との関係人口創出の実証(株式会社おてつたび)
  • 次世代緊急情報システム「Smart119」による救急搬送の効率化(株式会社Smart119)
  • 「DFree」を活用した排尿自立指導料取得モデルの構築(トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社)
  • 電動草刈機の自動運転の実証(株式会社日建)
  • 不妊治療環境改善プロジェクト(vivola株式会社)
  • 空調用エアフィルターによる省エネ、省CO2効果検証(株式会社ユニパック)

今回は、そのなかでも、救急搬送の効率化に貢献する「Smart119」の実証実験の様子をご紹介します。

Smart119は緊急・集中医療医によって設立されたベンチャー企業
医療費削減のニーズと、救急出動数の増加に伴うコスト増という社会全体の課題解決が目的です

山梨県の峡北消防本部では、年間4000回以上の救急出動機会があり、30分以上現場に滞在して4回以上搬送を断られる「救急搬送困難事案」が5件に1件あると言われています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、もっとも多いときには16回も受け入れを断れる事案があるなど、救急搬送の時間短縮は現場で求められる喫緊の課題です。

通報時に話された情報は、AIによる音声認識でテキスト化され、「Smart119システム」で関係機関にリアルタイム共有されます。

情報を全関係者にリアルタイム共有するのがSmart119
実証実験でも驚きの声が上がっていた音声認識

音声認識のシステムだけでも手入力に対して、8割の時間削減効果があり、変換精度も91.6%を現在で実現しているそうです。

現場の救急隊員の判断に役立つAI予測

また、AIを利用した予測診断等、救急隊の判断のサポートをするアルゴリズムも研究されています。

Level.1実証実験の結果

2021年12月に東山梨消防本部で、塩山救急・山梨救急・勝沼救急の隊員を集めて行われた実証実験では、Smart119システムを使った「病院交渉時間」の計測を行い、実に搬送先病院の交渉時間を平均34.8%削減、救急搬送という一刻を争う状況下で、平均1分48秒の削減という成果をあげました。

現場の救急隊員向けの実証実験後のアンケートでは、「タブレットを活用した情報伝達の正確性について良いと感じたか?」で90%が肯定的な意見。「実際の出場時に使用すると病院選定・交渉時間の短縮がされると感じたか」「今後の救急活動においてタブレットの活用は有効だと思うか」では100%の隊員が有効と思う、など高い評価を得ることなり、この度、2022年1月18日のLevel.2及び3の実証実験を実施することとなりました。

Level.2及び3の実証実験の実施方法

今回の実証実験は「Smart119システムタブレット」を使⽤し、架空の救急事案を⽤いて医療機関へ⼀括受⼊要請を⾏い、情報伝達のしやすさ、受け入れ医療機関選定・交渉時の効率化による時間短縮、医療機関での利便性を検証するものです。

また、上記による救急隊員の業務負担や、ストレスを軽減する効果も検証いたします。

通常は搬送先決定まで15分かかっている

上記の図の通り、通常の受け入れ要請は、受け入れ可になるまで要請を繰り返すことから、搬送先決定まで約15分かかっていました。

実証実験なので、可能な限り実際の受け入れと同じ状況でテストします

「実証実験Level.2及び3」では、「Smart119システム」及び「Smart119タブレット」を使⽤する他、参加する医療機関を複数にした上で一括要請を行い、参加する医療機関も通常通りの業務を行いながら参加するなど、実際の救急事案に限りなく近い環境での実証実験となっているのが特徴です。

Level.2及び3の実証実験の結果

今回も山梨県を舞台に行政と大学、病院が連携して、実証実験を行いました。

1月18日に、東山梨消防本部、山梨県立中央病院、山梨大学医学部付属病院、山梨厚生病院の関係者が集まって、Level.2実証試験を実施しました。電話では病院交渉に平均4分49秒を要していましたが、「Smart119システム」及び「Smart119タブレット」を利用することで平均1分26秒での搬送先決定という大幅な時間短縮を実現。約70%の時間短縮を実現できました。

実証実験に取り組む山梨県立中央病院の医師
架空の緊急事案に対して、本番を想定した受け入れを行います
本番を想定しているため、試験とはいえ緊張感が漂う会場

Smart119実証実験Level.2及び3アンケートの結果

タブレット入力に取り組む東山梨消防の救急隊

実証実験後のアンケートでも救急隊からは「病院選定・交渉においてストレスが軽減された」、医療機関からは「救急受⼊時に有効」と評価が認められました。

今回の実証実験でも、救急事案ごとに参加者からのフィードバックや率直な意⾒が寄せられ、実際の導入に対して大きな一歩となる結果となりました。

短縮時間の実数値、アンケート結果などからも、救急救命時の傷病者情報を救急隊と医療機関で共有する本システムは、山梨県民共通の課題である「搬送困難の解決」に有望なシステムであり、⼭梨県⺠の暮らしの安全安⼼に貢献するものと認識されました。

参加機関からは下記のコメントが寄せられています。

【消防隊】
・救急隊の負担軽減や住⺠サービスの向上のためにもこのようなシステムは有効。
・タブレットに慣れればさらに時間短縮につながると思う。
・病院到着前に医師に画像を送れるのは、とても有効的。
・傷病者の患部の状態や交通事故の状況、⼼電図モニターなどを撮影して送ることができるので、情報量を多く伝達することができると感じる。

【医療機関】
・システムは有効であると思う。
・従来、医師に伝達するのに、⼝頭だったが、画⾯で確認できスムーズだと感じた。
・情報が⽂字で送られてくるので正確で良い。
・熱傷患者の部位、患者顔⾊、事故現場、⾞載モニターなどの画像が送られてくるのは良い。
・状況によっては運⽤の効果が異なるため、それぞれに応じた説明や作りこみが必要と思われる。

これらのフィードバックやデータを元に、山梨県⺠の命を守ることにつながるシステムの改善・構築が行われます。この先、⽇本全国の⾃治体とって必要な救急医療・救急活動のICT化の先陣となる、有意義な検証結果となりました。

また、3⽉10日には、『TRY! YAMANASHI!実証実験サポート事業』の成果報告会を開催し、この模様を、オンラインで配信する予定です。

このように、最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業、行政(消防)、大学、病院など 全関係者がタッグを組んで、山梨県の広大な土地で実証実験をするのが、TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業です。

TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業の詳細や、ほかの実証実験の様子に興味をもたれた方は、ぜひ「やまなし未来創造インフォメーションサイト」をご覧になってください。